学会の趣旨
日本高等教育学会設立の趣意について
現在、大学を中心とする高等教育は世界的に構造的な変動の時代をむかえ、実践的、政策的な課題への取り組みと、多様な学問領域からなる研究関心の高まりをみるに至っております。
わが国でも、一連の改革や構造変動の進展とともに、高等教育研究の必要性と重要性に対する認識が強まり、大学研究や実践・運営のためのセンター等が相次いで設立され、また大学院に高等教育関係の研究者養成あるいは専門職養成のためのプログラムが開設されるなど、教育研究体制の整備の動きが本格化しはじめました。
高等教育研究は、対象とする高等教育のシステムとしての複雑性や、問題としての多様性から、社会科学や人文科学、さらには自然科学にも及ぶ大きさと広がりをもっており、そのことがこれまで独立の学会の成立を妨げていました。しかし、変動の時代をむかえていっそう明らかになった高等教育に係わる諸問題とその研究の重要性を考えるとき、学問領域の違いをこえた研究者等の結集と交流をはかり、研究の理論的、方法的基礎を強化し、研究の一層の深化発展をめざすとともに、その研究成果の普及を図り、実践的、政策的課題の解決に寄与するために、学会の設立は重要な課題となりつつあります。
こうした状況をふまえ、このたび次のような有志が集まり、発起人となり日本高等教育学会の設立を企画いたしました(○印は代表)。
1997年7月19日
麻生 誠 阿部 美哉 ○天野 郁夫 荒井 克弘 有本 章
市川 昭午 潮木 守一 馬越 徹 江原 武一 大﨑 仁
梶田 叡一 金子 元久 喜多村 和之 高橋 靖直 舘 昭
寺﨑 昌男 原 康夫 矢野 眞和 山野井 敦徳 山本 眞一